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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第6局  観戦記 >
黒 井山裕太  八段   対   白 山田規三生  九段

 

まさかの一局

2009年2月26日

 いろいろな戦法が碁にもある。大模様作戦や実利先行策は比較的実行しやすい。難解定石を研究して相手を序盤で圧倒しようとするのはアマチュアだけの楽しみか。ハメ手で一発ノックアウトを狙うマニアは、一昔前の碁会所には当たり前のように存在した。

 黒1から7の構えはアマプロ問わず、いまだに人気だ。下辺に黒が力を蓄えているため、実戦のように白8と少し離れてカカるのが常識とされている。白9やAのカカリではハサまれて息苦しい。

 黒9はBの受けやハサミもある。実戦の進行を選んだのは黒13が打ちたかったからか。

 「黒13でよくあるのはA、白C、黒13です。ただ、白Dとカケツガれると、黒Eから符号順に白Hまでの定石型に落ち着く。これは形勢互角とはいえ、黒に感激がない。そこで黒13です。黒A、白Cの交換を保留してあるので白Dとコスミにくくなっています」と解説の楊嘉源九段。黒13に続いて白Dは黒Iにオサえられた時にせつない。黒Cのハサミツケが生じるため、眼形が不安定なのだ。

 白番、山田規三生。手どころの読みは張栩の上をいくとも言われている。しかし、この碁では、その得意分野で敗着を打つ。それも間もなくのことだ。

 黒番、井山裕太。同じ関西総本部の先輩のミスを見逃さない。まさしく、一太刀で決める。

(松浦孝仁)

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