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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第7局  観戦記 >
黒 張 豊猷  七段   対   白 趙 治勲  二十五世本因坊

 

苦労を買う

2009年3月5日

 「若い人と比べて技術的に自分が劣っているとは思わないし、これからまだ強くなれると思う」

 52歳、趙治勲の最近のことばである。微妙な年齢に差しかかり、確かに名人、棋聖、本因坊の大三冠時代のように勝ちまくるわけにはいかない。それを年のせいにしないで、これから強くなると言い切る。おそろしい男ではないか。

 スタートで1敗を喫した同士の第2ラウンドは、改装された日本棋院7階のイス席対局室で行われた。となりは張豊猷の師匠の王立誠と工藤紀夫の世界選手権・富士通杯の予選。王は対局中、弟子の盤上をいっさいのぞこうとはしなかった。

 黒9まで、珍しい左右対称形。白10と対称が崩れたところで、さっそく技術顧問の高木祥一九段の出番だ。

 「黒11とハネ出した例は過去に何度かあるけれど、労多くして功少ないというのが本当でしょう。黒14とハネ、白11、黒20、白Aのとき、黒Bと進めば常識的でした」

 若い張は自分から苦労を買って出た。これ自体に文句はつけられない。ただし一手一手が非常に難しく、時間を湯水のように使わされる。

 白16が好手。古碁にくわしい高木解説者によると、やや違う状況で本因坊秀策も試みたという。黒17で18に受けると、Cの切りを狙って白Dとツケる筋がうるさい。

(春秋子)

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