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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第9局  観戦記 >
黒 張 豊猷  七段   対   白 井山裕太  八段

 

工夫

2009年3月19日

 日本棋院関西総本部「無量の間」の下座についた張豊猷は記録係の古家正大四段に「昇段おめでとうございます」と声をかけた。お礼を言った古家は「遅ればせながらリーグ入りおめでとうございます」と返す。張はいまだリーグ初勝利を挙げていない。「おめでたいどころじゃないんだよね」と苦笑した。

 井山裕太と張は公式戦は初手合だが、練習では何度も打っているという。「僕のほうが勝率いいのですよ」と張は本局への自信をちらりとのぞかせた。

 立ち上がりから、両者とも小刻みに時間を使う。

 白8のツケに黒が9と単にヒラく流行の形。白12が井山の工夫だ。黒に13と受けさせ重くすることにより、白16のオサエに黒17のヒラキを強要した。「白12で単に14にコスミツけると、黒A、白16のとき絶好の黒Bにヒラかれます。12は右辺が大きい場合の利かしです」と解説役の石田篤司九段。

 井山の工夫に対し、張が黒15にコスんだのもしゃれている。黒17までいい分かれだ。

 黒19、21と構え、上辺から右辺に大きな黒模様が広がってきた。白22は衆目の一致する消しだ。

 黒29にあおられたときが問題だった。井山はたった2分の考慮で白30とトンだ。当然の黒31を迎えて長考に沈むのでは、なんだかリズムがおかしい。

(内藤由起子)

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