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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第10局  観戦記 >
黒 小林 覚  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

際限なし

2009年3月26日

 右上の分かれが定石として再び認められるようになってもう数年になる。オールドファンはきっと複雑な思いでいるに違いない。それはそうだ。黒有利。白でこの定石を打ってはいけませんとあちこちの書籍に記してあったのだから。

 見直しの機運は韓国で高まったと記憶している。国際戦で頻繁にこの定石を見かけるようになったと思っていたら、韓国中国では白でこの定石を目指しているらしいとの評判。またしても日本は後れを取ったのかと、なんだか悔しかった。

 「いや、日本でも黒よしの意見ばかりではなかったのですよ」と解説の石田章九段。二十二世本因坊高川秀格は白でも十分打てると主張していたという。

 「部分的には黒がいい。しかし、それは黒9手、白8手と、黒が1手多くかけているからです。この1手をどうみるか。また、傷のない黒に比べ、白はAに弱点を抱えている。このあたりの判断が難しいところです」

 王はあまり時間をかけずに白8を決断。黒9に白10と切ってからはノータイムの連続。いまや日本でも、この定石を打つことにためらいはないらしい。

 黒23のシマリに対して白24はこの一手。白Bとシマるのは黒Cの絶好点をみすみす譲ることになる。

 黒25からも興味深い分かれになる。碁の考え方に際限はないらしい。

(松浦孝仁)

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