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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第15局  観戦記 >
黒 山田 規三生  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

ぼやきの系譜

2009年4月30日

 坂田栄男、大平修三そして趙治勲が「三ぼやき」といわれたのは30年近く前だった。この中でいまなお第一線で頑張る趙も、かつてのようなぼやきは少なくなった。

 代わって現れたのが王銘エンである。隣室までぼやきが届くのは序の口。少し離れた記者室でも聞こえるくらいだ。もっとも数年前、対戦相手に「うるさい」と一喝されてから、いくらか静かになったようである。

 山田規三生のぼやきは口もとでつぶやく程度。しかし本局では、王に負けないくらいの大ぼやきを発した場面が一つだけあった。どこだったかは、あとのお楽しみに。

 王ならありきたりの布石にはならない。左下の目はずし定石に続いて、白18がおもむろにとび出したメイエン流だった。下辺から全局を押しあげるゾーンプレス戦法。地とスピードを重視する現代派ならAのツメに向かうのではないか。

 白20の受けも最近では少数派になった。さっそく石井邦生解説者に登場してもらおう。

 「誰でもやる白Bの小ゲイマだと、黒Cとトンで左辺を盛り上げられるのを嫌ったのでしょう」

 白20の一間なら、腰高の弱点を突いて黒21と迫ることになる。これは王の予想するところ。白22から24と打ち込んで開戦だ。

 黒25と反発してからの午後の部がおもしろい。

(春秋子)

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