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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第18局  観戦記 >
黒 坂井 秀至   七段   対   白 小林 覚   九段

 

気になる手段

2009年5月21日

 どこまで離されたら勝負をあきらめるか。どれだけリードを奪ったら勝ちを確信するか。アマチュアは形勢の動きに気づくまでに時間がかかり、勝ち負けを意識するのは早い。当然、棋士は正反対。粘るための手段を知っているからむやみに勝ちを急いだり、勝負を簡単に投げたりはしない。

 本局は午前中に形勢が傾く。対局が行われた坂井の地元、関西棋院の記者室に姿を現した清成哲也九段の判定はかなり物騒だった。

 「常識的には信じられない姿。投了を考える人もいるかも」

 原因は右下にある。黒が5から7と中国流に構えた直後に、小林は白8を選択。よく見かける形だが、左下にあるカカリ一本が微妙に影響してくる。

 「続いて黒16では白13、黒Aのあと白Bがヒラキとハサミを兼ねる絶好点になる。だから黒9と強く迫りたくなります」と解説の小松英樹九段。

 白10に黒11もこう打ちたい。白12から14の二段バネもさばきのテクニックだ。似たような実戦例もかなりある。ここで坂井は思い出す。「黒15に白16なら、黒17にハネたらどうなるのかなってずっと思っていました」

 必然の白18には黒19、21とカミ取って、とことんがんばるぞと宣言。白のさばきを問う坂井の趣向に、小林はしてやられる。白の善後策については最終譜で。

(松浦孝仁)

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