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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第19局  観戦記 >
黒 張 豊猷  七段   対   白 王 銘エン  九段

 

ベテランの味

2009年5月28日

 少し前までタイトル戦の常連だったベテラン3人が苦戦を強いられている。52歳の趙治勲、50歳を迎えたばかりの小林覚、そして47歳の王銘エンがそろって1勝3敗。19歳の井山裕太が5戦全勝で突っ走り、今期の名人戦リーグは世代交代の波を強く感じさせる。

 だが、囲碁界には60代でのタイトル獲得記録もあり、40、50代はまだまだ老け込む年齢ではない。スタートダッシュに失敗した彼らが、どう立て直すかに注目しよう。本局からはリーグ後半戦。王の対戦相手は、前半を負け越しで通過したもう一人の張豊猷である。

 解説は、初の棋聖戦リーグ入りを決め、開幕を待つ秋山次郎八段にお願いした。

 黒5の高ガカリから11と工夫してヒラいたのは張の作戦。王は白12とカカり、黒13に白14とハサミ返す。「白14に黒21ならば利かしでしょう。続いて、12の一子を軽く見て白Aという展開が予想されます」と秋山解説者。

 白18、20、24の石運びが「ベテランの味」とでもいいたくなるような軽やかさ。解説者は「ふわふわとした白は、とらえどころがなく、意外に追及が難しい」という。

 それでも黒31と激しくいくのが張だ。黒Bなどという穏やかな発想は捨てているのかもしれない。なお、31で黒Cは、白31、黒D、白Eとかわされてさっぱり。黒31は最強手である。

(伊藤衆生)

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