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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  七段   対   白 井山 裕太  八段

 

関西決戦

2009年6月25日

 楽しみな顔合わせだった。坂井秀至が井山裕太を破れば、山田規三生を含めて3者が1敗になり、挑戦者争いはわけが分からなくなるというリーグ後半の大一番。それだけではなく、ふたりの好対照が興味深い。

 小学校に入るか入らないかのころから将来を見すえ、中学入学と同時にプロ棋士デビューを果たした井山。一方坂井は少年時代から、ある意味ではプロ以上に碁の研究にはげんだものの、プロ入りは28歳と異例の遅さだった。しかしこれまでの道のりは違っても、関西が生んだスター同士であることには変わりはない。

 プロとしての経験が不足する坂井を支えるのは豊富な勉強量だ。あらかじめ対戦相手と黒番白番の決まっている名人戦リーグでは、1カ月も前から相手の棋譜を徹底的に調べて対策を練る。井山との関西対決も、その成果が出たと書いておく。

 白12から14とカカられた場面。黒15の打ち込み、最近ではやや珍しい17の一間が坂井の用意した作戦だった。そして黒19の下一間が序盤の分岐点である。よくあるのは黒Aとコスミツけ、白B、黒C。黒19は白21なら黒Cとそれ以上の理想形を求めたものだろう。

 プロ中のプロ、井山は相手の意図がよく分かるので、白20と理想形をじゃまする。こうなれば黒21、23と出切っての宣戦布告は勢いだ。

(春秋子)

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