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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第28局  観戦記 >
黒 小林 覚  九段   対   白 山田 規三生  九段

 

重い一局

2009年7月30日

 今日からは挑戦者決定に直結した2局を連続してお届けする。まずは6月11日、大阪の日本棋院関西総本部で打たれた山田規三生―小林覚戦である。6戦全勝の井山裕太を追う山田には負けられない一局。リーグ落ちの心配のある小林にとっても大一番だった。

 四隅を打ち合って、さて黒はどうするか。すると、たった四つしか石の置かれていない碁盤を見つめながら、小林、山田、記録の古家正大四段までが腕組みをしはじめた。重要な一戦にふさわしく、開始早々から対局室に緊張感が漂う。

 小林は黒5のカカリから7、9と下辺に展開する。山田が白10と右下に向かえば、黒は11とスベりたくなる。白Aも好点だからだ。

 白16のツケ以下の進行で、山田は11分を費やし24にコスむ。趣向と思ったらそうでもない。解説の小松英樹九段は「黒9がいるので白24は普通でしょう。24で白Bは、黒Cと来られるかもしれない」。

 小松解説者は、25までの黒の流れに不満顔だった。「白10に手を抜いて黒11と動いたのに、これでは11で黒25と打っても同じ形になったでしょう」。棋士は善悪を超えたプロセスにも敏感だ。積極的に動いても、そのかいがなければつらい。小林も局後、「黒17はDだったか。白24にどう打てばいいか分からなかった」と語った。

 ともあれ、戦いは左上へ。

(伊藤衆生)

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