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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 井山 裕太  八段   対   白 小林  覚  九段

 

勝ちたい

2009年8月6日

 前局で山田規三生九段が負けて2敗目を喫したため、井山はリーグ優勝まであと1勝に迫った。

 井山は今年もめざましい活躍をしている。勝ち星ランキングでも首位を独走し、内容も充実している。

 本局はとくに「勝ちたい気持ちが強かった」と井山はいう。

 思い起こせば、前期は追走者の山田が負けて、井山の挑戦が決まった。そのあと、9月に打たれた王座戦、10月の棋聖戦、そして今年5月末の碁聖戦と、勝てば挑戦者という一局をことごとく負けており、井山は勝って挑戦者になった経験がなかったのだ。

 「対局中は意識しないようにした」というが、黒21まで三隅を黒が占めるからい展開は、硬さの表れなのだろうか。「いえいえ。白6のハサミから10までの右下の形もよく見る構えですし、流れで実利を取ることになっただけでしょう」と解説役の依田紀基九段は語る。

 白22まで自然な進行に見える。当日、日本棋院関西総本部の検討室では、何のコメントも聞かなかった。

 ただ、東京で経過を見守っていた依田解説者だけは違った。

 「白22のヒラキに、覚先生の迷いを感じました。中央が大切になっているので、左辺を打つならAと高いほうがいいでしょう。もともと左辺は地になる構えじゃないし」

(内藤由起子)

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