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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第30局  観戦記 >
黒 張  豊猷  七段   対   白 坂井 秀至  七段

 

次こそは

2009年8月13日

 張はこの対局が最終戦。昨年12月から毎月1局ずつ。はじめての名人戦リーグは、ほろ苦い思い出となりそうだ。ただ盤側にはいつも通りに、熱い闘志が伝わってきた。彼には全敗を免れようなんてケチな考えはないのかもしれない。見据えているのは、きっと近い将来に実現されるであろう、次のリーグ戦。今度こそはと奥歯をかみしめて、いまは耐えていると想像した。

 坂井は名人戦リーグの安定勢力。ただし、今期は5月の井山裕太戦での黒星で、実質的に初挑戦の夢は断たれた。毎年のように、挑戦レースをにぎわすものの、主役には立てない。そんな、あと一歩の状況が続いている。張と同じく、今を耐えてどう弾けるかが今後の課題。おそらくここらあたりに、タイトルホルダーへの壁があるのかもしれない。

 序盤は坂井の布石戦略に注目。左下で黒が11とふんわり変化したところに目をつけた。右上白12で黒の出方をうかがい、黒13には白14、16と中央を手厚く構える。

 「黒17までで先手を取り、左下を白18から割いていく狙いです。ここから戦いになれば、右上の厚みがかならず役に立ってくるとの判断。なかなかの作戦でした」と解説の石田章九段。

 白18に続いて平凡に黒21は白A、黒B、白C、黒D、白Eで白の注文。張は黒19、21と変化した。

(松浦孝仁)

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