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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第35局  観戦記 >
黒 高尾 紳路  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

  • 総譜 1〜155手

無念のリーグ

2009年9月17日

【黒中押し勝ち】155手完

 「何で悪くなっちゃうのだろう。下手クソだなあ」。王銘エンは対局中も感想戦になっても、自分にいらだっているようだった。

 原因は下辺、白42(11の十二)までの評価だ。「悪くないと思っていた」王に対し、黒の荒らしが成功したと検討陣は見ていた。もちろん高尾紳路にも不満はなかったろう。

 白16(7の十三)にトビ、黒17(4の十二)と換わって地を損したのに、下辺で黒に安定されては白があまされている。

 形勢判断がずれていては、思うような結果は得られない。

 対局後、あれこれ検討していくうちに、「悪いのか?」「悪いんだ!」と、王の言葉は変化していった。

 すでに地合いがたいへんな白は、58(12の四)から攻めて行くも「黒63(13の四)にハサミツけられるのをうっかりしたよ」と王。黒77(14の七)となっては、とても攻めるような陽気ではない。

 黒は全部つながり、「一石碁」になった。高尾は終始厚い打ち回しで勝ちをつかんだ。次期リーグをシード順3位で臨む。

 王は斬新な試みで我々を楽しませてくれたが、なかなか勝利に結びつかず、無念のリーグ落ちとなった。冒頭のセリフは、もちろん本局についてだ。もしかしたら、リーグ戦全般に対しての気持ちだったかもしれない。

(内藤由起子)

 消費 黒 3時間53分 白:4時間59分 (持時間各5時間)

 

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