現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第36局  観戦記 >
黒 井山 裕太  八段   対   白 小県 真樹  九段

 

全勝優勝へ

2009年9月24日

 リーグ最終戦は挑戦権を獲得した井山裕太の8戦全勝のかかった一局をお届けする。対する小県真樹も初のリーグ残留を確定させ充実している。今日はじっくり観戦しようと、盤側に座った。
 日本棋院関西総本部のいす席対局室。午前10時のチャイムが鳴って一礼すると、ふたりは盤上の碁笥(ごけ)を左脇へすべらせるように移動させた。サウスポー同士の、洋室ならではの光景から始まった一局は、井山の布石構想が目を引いた。
 白6のハサミに黒7のシマリを急ぎ、9と右辺に重心を置く。白10は一路高い17も打たれている。小県は黒9がAではなかったので低く構えたという。
 黒11から白16は想定できる進行。ここで井山の左手が舞って黒17のツケが飛ぶ。1分の決断。実戦例があるそうで、井山の好きな手らしい。白Bのハネには黒Cとハネて白D、黒E、白18、黒F、白G、黒Hで白はぺちゃんこ。黒17に白19ならば黒18とオサえるという。井山は「この形はどうなっても黒が打てると思っています」。
 小県は31分かけ白18と引く。局後に「辛抱がよすぎたか」とつぶやいた手だ。「黒17、白18は十分な利かし。僕ならば黒19で28とツケる」と軽快なタッチの変化を示したのは解説の山城宏九段。井山は黒19から21と広げ、手厚く23も決める。今日は模様で勝負するつもりだ。

(伊藤衆生)

[次の譜へ]

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内