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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第36局  観戦記 >
黒 井山 裕太  八段   対   白 小県 真樹  九段

 

緩急自在

2009年9月24日

 筋悪に見える黒47のアテで参考図の1から下辺を取りに行くとどうなるか。白2から攻め合いに持ち込まれ、黒9とサガっても、白14と詰められて黒の1手負けに終わる。

 図の1で筋良く黒aからアテて、白2、黒3、白4、黒5、白b、黒1も白7で黒が勝てない。捨て石による締め付け作戦でも打てたかもしれないが、井山は別の道を選ぶ。

 黒47のアテは捨てない作戦。黒49、53で白二子を取り込み、55といったんは逃げ出す。

 白60以下は、66にツケるための準備工作。こうした技のさえを、小県は度々、見せてきた。だが、きょうの井山には通じない。白70の切りに黒71がまたしても冷静だった。

 白72でAは、黒72、白B、黒73で到底追いつけない。小県は地の損は覚悟のうえで白72とノビる。Cからの出切りを強調し、白74と切る。白76とノビて78の割り込みにかけた。

 ここで盤上を見渡した井山は左辺黒79へ。今度は一転、捨てる方針だ。「右辺で得をしたので塊を捨ててこられた」と局後の小県は苦笑い。

(伊藤衆生)

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