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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第36局  観戦記 >
黒 井山 裕太  八段   対   白 小県 真樹  九段

 

再び大舞台へ

2009年9月24日

【黒中押し勝ち】137手完

 すべてを見越した冷静な判断、とでも表現しようか。黒五子を狙った白78(7の十四)に、井山はどうぞ差し上げますと黒79(3の十二)にまわる。黒A、白B、黒90と動くのは白C、黒ツギから白D、黒E、白F、黒G、白Hとたたかれ、中央に白の勢力を築かれる。逃げても得にならないのである。

 井山は、黒87(6の十)、89のポン抜き、黒91の三々入りなどひたすら堅実に勝利へ向かった。小県も作り碁にするつもりはなく、上辺を突破させたところで投了となった。

 山城解説者は「黒37(14の十七)のツギは実にいい手でした。黒71(16の十二)や79も的確です」と20歳の落ち着いた打ち回しに舌を巻いた。

 一方の小県は、黒29(12の五)に来られてから歯車がくるったようだ。4年前のわずか1勝に終わった初リーグから復帰し、今期は趙治勲、高尾紳路らに勝って残留を決めた。同じ日本棋院中部総本部の山城解説者は最近の小県を、「淡泊さが消え、勝負を最後まであきらめない粘りがでてきた」と評する。その小県に粘る場面を与えず、井山が完封した一局。完全優勝にふさわしい好局だった。

 きょう9月3日、井山は張栩名人との七番勝負に臨む。昨年の激闘から1年。その成長ぶりはどうなのか。楽しみな対決がいよいよ始まる。

(伊藤衆生)

 消費 黒 3時間56分 白:4時間59分 (持時間各5時間)

 

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