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< 第34期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  八段   対   白 張栩  名人

 

挑戦者の気合

2009年10月15日

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 第1局いかがでしたか。名人の攻めと挑戦者のしのぎ、名人らしいコウ仕掛け、難解きわまるヨセと、どれをとっても2日制にふさわしい名局と思う。

 記者はもっぱらインターネット観戦だったが、おもしろいことに気づいた。多くのプロが白よしと主張した1日目、ネットファンの大部分が黒よしと判断したのがチャット(書き込み)から分かった。攻める方がよく見えるのだろう。問題のヨセについては名人が「時間をかけて調べました。私は運がいいとしかいいようがありません」と語ってくれた。いや、運だけではあるまい。運を引き寄せる強さだ。

 さて第2局。定刻午前9時前のひととき、立会人席についた武宮正樹九段いわく、「第1局は名人が先に対局室入りしたんだね。きょうはどうかな」。その舌の根の乾かぬ8分前に挑戦者が現れた。「やっぱりね」と立会人。気合を示すためにも早く入室したのか。

 型を持つ名人に対して、型を持たないのが挑戦者。注目された黒番の布陣は1、3の向かい小目だった。名人は白6のカカリからナダレを選ぶ。これも名人の得意型だ。

 しかし次の白12を見て、解説担当の小松英樹九段は「変えない名人が珍しく変えましたね」という。いつもの名人なら白A、黒Bから白Cのカケツギである。12からおもしろくなる。

(春秋子)

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