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< 第34期名人戦七番勝負第3局  観戦記 >
黒 張栩  名人   対   白 井山裕太  八段

 

地元開催

2009年10月29日

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 名人が大胆かつ繊細な読みできわどい半目勝負を制すれば、挑戦者は相手の一瞬のすきをとらえ、一気の反転攻勢で1勝1敗のタイに追いつく。期待どおりの好勝負となったシリーズは、中盤の第3局を迎えた。

 シルバーウイーク最終日の9月23日、名人は行楽帰りの家族連れで混雑する東京駅で新幹線に乗り込み、新大阪駅で車に乗り換えた。めざす対局地は兵庫県宝塚市である。

 挑戦者は大阪府東大阪市の自宅から車で直接現地入り。師匠の石井邦生九段が宝塚市在住ということもあり、いわば地元開催だ。関西のファンが数多く集まった前夜祭で、挑戦者は「身の引き締まる思いです」と、心地よい緊張感を表現した。

 翌24日午前9時、対局開始。白12までの進行は、白の比較的低い構えに対して、黒は右辺一帯の勢力が気になる。「次に黒は19、白A、黒B、白C、黒D、白16と中央指向で行くのが普通です」と解説の山田規三生九段。

 名人は一般的な進行は選ばず黒13へ。模様というよりも、地を意識した彼好みの一手だろう。

 挑戦者は消しに向かう。白14に一度黒15と受けてもらえれば、黒17には軽く白18に打つ調子だ。ここで名人は下辺の白二子を意識しながら黒19と肩をついた。さきほどまでとは状況が違う。白16が来たあとの厳しい仕掛けだった。

(伊藤衆生)

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