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< 第34期名人戦七番勝負第5局  観戦記 >
黒 張栩  名人   対   白 井山裕太  八段

 

なじみがない

2009年11月30日

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 本局の舞台は、名人戦ではおなじみ静岡県熱海市にある「あたみ石亭」だ。対局に集中してもらうため窓は障子で閉められており、対局者は自慢の庭を見ることはできない。

 黒11のツケに対して白12のヒラキは最近のはやりだ。よく見かける手なのに、名人は早くもため息をつき、ぼやきだした。

 「おかしいことやっちゃったなあ」

 何がまずかったのだろうか。「予定と違った進行が不満なのでしょう」と、衛星放送解説の蘇耀国八段。

 先に仕掛けたのは名人だった。17分を投じた黒13のツケは、実戦ではなじみがないけれど、よく研究の俎上(そじょう)に載っていたという。「有力だときいています」と解説の小県真樹九段。

 挑戦者は研究会で打ったことがある。「そのときは白14のハネに参考図の黒1とノビたので白12までとなり、黒が悪いという結論でした。張先生も一緒に検討しました。変化が多くて難しく、まだ研究課題です」

 黒13のツケが利かしになるか、悪手になるかをめぐる攻防だ。

 黒15のブツカリは挑戦者の予想になかった。すでに未知の世界に入っている。

(内藤由起子)

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