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< 第34期名人戦七番勝負第5局  観戦記 >
黒 張栩  名人   対   白 井山裕太  八段

 

不自由

2009年11月30日

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 黒は43と切って、ノータイムで45と肩をついた。

 白46のコスミに参考図の黒1と引くのは白2のツケが厳しい。黒は5まで低位になってつらい。黒11は省けず、白12までとなると白には余裕があり、とても攻めはきかない。

 黒は困っているのではないかと見られたとき、検討陣がまさかと思っていた着想が飛び出した。

 黒47のアテから49のアテ込みだ。二目の頭を自らハネられていて、名人も「筋が悪いよね」と局後、苦笑いしていた。

 すでに黒は、ふつうにやっていてはだめな状況に陥っているのだ。

 49の非常手段で無理やり戦いに引きずり込む。これしかチャンスはない。「けれども黒の形が崩れ不自由だし、下辺の黒も強いわけではないので、攻めるのは大変です」と小県解説者。

 名人と親しい蘇八段は、モニター画面に映る名人を見て「形勢の悪い顔をしている。心配だなあ。いつもならやりたいことをやるのに、きょうは……」。

(内藤由起子)

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