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< 第34期名人戦最終予選1組決勝  観戦記 >
黒 小県真樹  九段   対   白 柳 時熏  九段

 

小県が復帰

2009年1月7日

【黒4目半勝ち】257手完

 午後11時5分に終局。作り終わるとしばらく、両者とも声が出なかった。

 「白80(5の十一)で先に84(9の十七)に出て86(10の十五)に切るんだった。ばかだなあ。それなら黒91(11の十七)にカカエだよね。白いいでしょ。黒83(8の九)のマガリが来てからでは、タイミングが悪すぎた。打てば打つほど薄くなった」と吐き捨てる柳の声は、自分への怒りをこらえているのか、震えていた。

 「本局は白の手順前後に尽きます。大一番らしい、両者とも力の入った碁でした」と中野解説者。

 黒83にマガられては、もう白84に出る機会を失っている。白84で93(7の十)にノビているのでは、黒87(10の十四)に守られてしまう。やはり白80のタイミングで決行するしかなかったのだ。

 5分ほどの検討が終わると、柳は硬い表情のまま、さっと部屋を出て行った。

 残された小県は中野九段を相手に「下辺を黒53(10の十六)とハネて制しては、地はだいぶよさそうな気がしたけどね」と、振り返り始めた。同じ中部総本部所属で気の置けない後輩と話していくうちに、小県にじわじわ笑顔が戻ってきた。リーグ復帰を決めた実感を味わい始めたのだろう。

(内藤由起子)

 消費 黒:4時間59分 白:4時間59分 (持時間各5時間)

 

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