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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第3局  観戦記 >
黒 小県 真樹  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

銘エンの工夫

2010年1月28日

 開始を知らせるブザーが鳴っても、小県は目を閉じたままじっと動かなかった。3分たって、やっと右上小目に手が伸びた。

 小県に呼応したかのように、王も白2に2分かける。両者とも一手ごとに時間をかける立ち上がりとなった。

 黒7の二間ビラキに王が白8と肩をついたのは、「見たことがありません。銘エンさんの新工夫でしょう」と、解説の彦坂直人九段。白10のツケから18まで、すらすら新型ができあがった。彦坂解説者の判定は、いい加減の分かれだという。ゆっくりした進行に持って行くのが、白のもくろみだ。

 黒19のカカリに、王は白20と高く受け、24と構えた。黒25のツメは、当然ながら絶好だ。「僕なら先手を取るために、白20でAと小ゲイマに受け、黒21から23に、白Bのヒラキにまわります。Bは碁盤に広さを感じる、ものすごくいいヒラキ」と彦坂解説者。

 黒に25のツメを譲った王は、またひとひねりを見せる。

 白Cにトンで守りたくなるところで、王が選んだ26は独特だ。「Cなんて手、打てないんだよなあ。黒21でDの構えなら、25のツメに対しては喜んでCにトブのだけど」と局後の王。Dのヒラキならスキがあるので、白Cと力をためていて十分ということらしい。

 王の工夫に、小県の手が止まった。

(内藤由起子)

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