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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第5局  観戦記 >
黒 山田 規三生  九段   対   白 張 栩  十段

 

世界の流れ

2010年2月9日

 1月7日、東京の日本棋院本院での対局。新しい年の最初の一歩だから、トッププロもいつもより強く勝ちを意識するのだろうか。

 張は名人を失ったあと、王座の防衛には成功するものの天元を山下敬吾に奪われた。昨年、史上初の五冠を達成し話題となったが、年を越すときには三冠に。彼の性格からして、いい年だったと振り返れるわけがない。翌週から張が山下に挑む棋聖戦七番勝負が開幕。この碁に勝って勢いをつけたい。

 山田は張の王座戦五番勝負の相手。3タテで挑戦を退けられて、リズムをおかしくしたか。名人戦リーグの開幕戦、本因坊戦リーグと、大きな勝負を立て続けに失っている。調子を戻すには、調子落ちのきっかけとなった相手をやっつけるのがいちばんだ。

 白4とすぐにカカり6のツケも急ぐのは、張の碁に多い。このあと黒A、白B、黒Cの進行がまったく採用されなくなった現在、白Dとなる公算が大きいと見ている。地にからい、張らしい選択だ。

 「左下の白10から18も張さんの好きな形。もっとも、世界的に白よしの流れになっています」と、解説の大矢浩一九段。ということは、白16でEと押していく大ナダレ定石は、絶滅の危機にひんしているということになるが。それはさておき、黒23に注目。実は早くも形勢が動く原因になる。

(松浦孝仁)

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