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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第6局  観戦記 >
黒 高尾 紳路  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

新型

2010年2月18日

 布石や定石には栄枯盛衰がある。

 黒7の下ツケに、白が8、10とナダれていくのは最近、大流行のようだ。この日だけでも何局か見かけた。

 それほどよくできる形でも、新しい変化は起きる。

 黒13のトビに、白14とハネたのがめずらしい。2分の考慮時間からみても、王は用意していたのだろう。

 さて高尾は「黒Aにハサむのと迷った」末、黒15と押し上げた。

 「なるほど、こう打つのか。知らなかったなあ」と局後の王。「黒15では21にツイでもらい、白22にカケツぐのをメイエンさんは想定していたのだと思います」と解説役の小林覚九段。

 白16にハネて、22までと新型ができあがった。さて、みなさんはこの分かれをどう見られるか。

 局後、「黒がいいのではないですか」と高尾がきくと、王は「下辺次第でしょう」。

 白は腰を曲げた姿でやや凝っているし、黒の外勢は厚いので、高尾は黒が得な交換だと判断していた。

 対して王は、「下辺で戦いになったときに、白20までとノビた厚い姿が働くので悪くない」という。

 記者室では、黒持ちの声が多かった。

 とにもかくにも、白は下辺が命となった。

 対局が始まってからまだ1時間もたっていないのに、早くも勝負どころを迎えた。

(内藤由起子)

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