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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第10局  観戦記 >
黒 高尾 紳路  九段   対   白 溝上知親  八段

 

ドライ

2010年3月18日

 溝上知親は小学生のときに長崎県から上京して、菊池康郎・元アマ名人主宰の「緑星学園」に住み込んで修業を積んだ。菊池さんの「人マネはするな」という教え通り、山下敬吾天元や加藤充志八段ら、緑星学園出身の棋士の棋風は個性的だ。

 そんな中でも溝上はオーソドックスな棋風かと思っていたら、そうでもないらしい。本局は、よくも悪くも溝上らしさがよく出ているという。

 左上、右下と基本定石ができて、落ち着いた立ち上がりだ。

 さて左下だ。白が20とコスミツけたのには、首をひねる向きが多いのではないか。黒21から23と二立三析の好形を与えてはいけないと、私も子どものころ習った。

 「数年前、韓国の李昌鎬九段が打ち出しました。白24にすぐ打ち込み、黒Aには白B、黒C、白Dとハネツいで黒25に受けさせようという、地にからい打ち方です。いまだに不評ですが、溝上さんはドライなタイプなので気にしないのでしょう。僕も気分しだいで打ちますが、コスミツけて負けたらつらいと思いますね」と解説役の蘇耀国八段。黒21のノビで上辺に構えた白の勢力が消えるものの、黒にEとスベられるよりはいいとの判断だ。白の意図をはずす黒25の下ツケまでがワンセットになる。

 白26のツケから局面が大きく動く。

(内藤由起子)

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