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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第11局  観戦記 >
黒 王 銘エン  九段   対   白 趙 治勲  二十五世本因坊

 

詰碁の宿題

2010年3月25日

 いきなりで恐縮だが実戦の詰碁を考えていただこう。参考図の黒1と三々に打ち込んで手になるかどうか。白2とサガる一手に黒3から5とコスミツけて問題の場面だ。

 白の趙治勲は手にならない、つまり無条件で取れると見た。40年以上の棋士人生で、こんなところが手になった例はないという確信である。一方、黒の王銘エンは手になると知っていた。研究会でみんなと検討したばかりだったとか。図の詰碁は第6譜までの宿題としよう。実際は双方が間違え、意外な結末を迎えるとだけ書いておく。

 立春とはいえ都心の最低気温が氷点下を記録した2月4日。朝のあいさつも「寒いですねえ」がほとんどだった。しかし盤上の戦いは熱かった。詰碁もさることながら、黒7の変則シマリ、9の高いツメと、王が独特の布陣を披露してくれたからである。

 右下が地になる保証はなく、甘いといえば甘い。その甘さをカバーするためにも、下辺の白に楽をさせてはいけない。

 「普通の人は使いこなせないでしょうね」と、独自の道を追究することでは人後に落ちない高木祥一解説者も王の工夫にはびっくりだった。

(春秋子)

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