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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第14局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  七段   対   白 結城 聡  九段

 

同門対決

2010年4月15日

 本拠地、関西棋院での対局なのに、結城聡はボストンバッグを手に、「吉祥の間」に入ってきた。対局前は近くに泊まっているのだという。

 結城は今年に入っても10勝2敗と絶好調。最近ではNHK杯で優勝し、史上3人目の2連覇を達成している。

 結城が備え付けの布で盤上をふき清め終わるころ、坂井秀至はいつものように1分前に着席した。

 結城と坂井は、故佐藤直男九段門下の兄弟デシ。子どものころから数え切れないほどの対局や研究を重ね、互いを知り尽くしている仲だ。

 名人戦リーグでのふたりの対戦が、やっと実現した。持ち時間5時間の碁は初めてだ。

 開始を知らせるブザーが鳴り終わらないうちに、坂井はさっと初手を打ち下ろし、あぐらに直した。

 結城の手はなかなか碁器に向かわない。7分後、やっと白2の星が打たれた。

 坂井は黒9の切り一本で11のカカリに向かった。白Aにカカえられたときのシチョウアタリにもなっている。

 結城は21分を投じて白12とノビた。「初めて見ました。なかなか力強い」と解説の本田邦久九段。よく見るのは白Bのアテ。黒Aに白Cのカケは、いまひとつなのだという。

 ここでもう昼休みになった。きょうも遅くなりそうだと、このときは覚悟していたのだが。

(内藤由起子)

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