現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第17局  観戦記 >
黒 趙 治勲  二十五世本因坊   対   白 小県 真樹  九段

 

小県の工夫

2010年5月6日

 日本棋院中部総本部にある「祥雲の間」に趙治勲は開始10分前に現れた。かばんから手のツボを刺激する健康器具を取り出すと、正座して盤上を日本手ぬぐいでふき清める。

 よく見る一連の流れなのに、懐かしい感じがした。そうか、趙が和室で対局するのが久しぶりなのだ。趙はいす席での手合を希望している。しかし中部総本部には、設けられていない。

 きょうの趙は決めてあったのか、時間をかけず黒1から7の小林流を敷いた。白8のカカリから黒21までは、よくある進行だ。

 小県は、たった3分の考慮で白22とノゾいた。「小県さん、工夫しましたね。ただ、Aとノゾく可能性もありますから、どうでしたか」と解説の彦坂直人九段。

 この22に、趙は敏感に反応した。17分考え「やりたくなったら、やれということか」とつぶやくと、黒25とツケ、27、29の割りツギを決めた。「ノゾいてくれたものだから、つい力んじゃって」と局後の趙。黒Bを利きにして、白Cに差し込めないようにしたのだ。

 「石が筋にきているので、そう打ちたくなる気持ちは分かりますが、白32のツケから38がばかになりません。コミ分くらいはへこまされました。白に不満のない分かれです」と彦坂解説者。

 黒25は、Dに構えているほうがよかったという。

(内藤由起子)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内