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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第18局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   対   白 山田 規三生  九段

 

破壊せよ

2010年5月13日

 山田の今年の成績は10勝11敗。わずかな負け越しだが中身は深刻だ。本因坊戦リーグは残留を果たせず、名人戦リーグもここまで3連敗を喫している。

 みなさんならこんな時どうするだろう。だいたい、2通りあると思う。とことん我慢して光が見えてくるのを待つか、スランプという大きな壁を破壊しにいくような、積極的な碁を打つか。山田はかつてブンブン丸と呼ばれていた。その名残かもしれない。自ら動いて今、この窮地を脱しようとしている。本局では2カ所で強烈な仕掛けを見せる。

 溝上も名人戦リーグでは1勝3敗と元気がない。しかし今年の成績は9勝3敗と立派なもの。きっかけさえつかめばいつ爆発してもおかしくない存在だ。

 溝上はアマチュアの間でもはやりの黒1、3、5、7の布陣。白8のカカリに黒9なら黒15までの進行もそう珍しくない。注目はこの後。左辺へ深々と侵入した白16からの折衝がおもしろい。

 「続いて黒Aの一間トビなら白B、黒C、白18の予定。白Dの割り込みが目につきます。黒は17と一工夫。白Bには黒D、またはEのブツカリで応じるつもりです」と解説の酒井真樹八段。

 黒17の効果はもう一つある。次に黒Fのカケが絶好だ。山田は白18、黒19を交換して回避。そして白20へ。黒の様子をうかがっている。

(松浦孝仁)

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