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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第19局  観戦記 >
黒 結城 聡  九段   対   白 王 銘エン  九段

 

お株を奪う?

2010年5月31日

 公式戦で3月以降2勝7敗と不振の結城聡にとって、王銘エン戦は大事な一局だった。

 結城は王にプロ入り以来7戦全勝。不調だからといって“お得意様”を失うわけにはいかない。そもそも調子を崩したのは、リーグ第14局で、過去10勝1敗と圧倒していた坂井秀至に敗れてからなのだ。そしてむろん、王にとっては結城をたたくチャンスである。

 4月8日、日本棋院東京本院。白12のひねったトビに、黒15の利かしは相場という。15で黒Aと打つのは、白Bが好点になる。

 譜に現れるように、黒番の結城は、ここから王のお株を奪うような勢力重視の石運びをみせる。そうなった原因は白20にあった。

 「スケールが小さいから黒21はないと思った」と王は振り返る。つまり黒15、19と大きく広げ、右辺白も固めたいま、手堅く21とは備えてこないと予想した。「黒21と守ってくれるならば、20は白Cに打つのだった」

 左上白4、14、20の姿を見た大竹英雄名誉碁聖は「メイエンさんがこの形を打つのは珍しくない?」と語る。よく目にする形ではあっても、明らかに王の流儀ではない。

 昼の休憩後、結城は黒29、31と中央を拡大していく。29とはずいぶん力んでいるように感じる。だが、単に黒31とケイマするのは薄く、左方白D、黒E、白Fと出切られるのがこわい。

(伊藤衆生)

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