現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第20局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  七段   対   白 張 栩  棋聖

 

とっておき

2010年6月3日

 関東一帯が41年ぶりの春の雪に見舞われてから2日後、ようやく暖かさが戻ってきた4月19日の対局。折り返し点の名人戦リーグは上位に有力候補がずらりとそろって、例年以上に熱い。

 無敗で走るのが復調いちじるしい高尾紳路。1敗で追うのは棋聖戦と十段戦で圧倒的な強さを見せつけた張栩、もう一度七番勝負の場にと意気込む趙治勲、それに関西棋院を引っぱる坂井秀至と結城聡。リーグ定員9人のうち5人が挑戦者候補という大混戦だ。必然的に上位陣の星のつぶし合い、つまり仕分けが激しくなる。その手始めが本局である。

 対戦成績は坂井の2勝1敗。局数が局数なので断定しにくいが、坂井は張ににが手意識を持たない数少ない一人ではないか。

 黒番坂井の両ジマリと、白の一間ジマリから8の大場と一風変わった布石だ。風変わりといえば白10のハサミに対する黒11。これぞ研究熱心な坂井が対張戦にとっておいた新趣向と察する。

 白12のツケには黒13と三々に入る調子。白14で15のオサエなら、黒14、白A、黒Bと運び、11が白の壁から離れているだけに黒が打てるとの判断だろう。

 したがって白14からオサえ、黒15、17の切りを許すことになる。朝からなんとも激しい。勉強不足の記者は新型と思ったのだが、数局の実戦例があるという。

(春秋子)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介