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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第21局  観戦記 >
黒 王 銘エン  九段   対   白 溝上 知親  八段

 

主流の研究

2010年6月10日

 ともに黒星が先行している王銘エンと溝上知親。ふたりにとって、リーグ戦中盤の急所の一局を迎えた。

 黒5の一間高ガカりに白が6とツケると、王はノータイムで黒7と引いた。

 7は大ナダレへの誘いだ。溝上は6分だけ考えて白8とハイ、受けて立った。

 黒9のブツカリからは、ばたばたと進む。一つの岐路は白26だ。26で白Aにツイで、以下符号順に黒Fまで互いに取り合う変化は時折見かける。

 溝上は白26、28とノビた。

 現在、ナダレの研究で主流なのが、28のノビなのだという。

 大ナダレはいまだに発展途上の定石だ。大事な対局で、未知の世界に踏み込むのはこわくないのだろうか。

 解説役の淡路修三九段は「プロは失敗を恐れませんからね。最先端の研究は実戦で使ってみて、はじめて形の『体温』を感じ、理解していくもの。新しい手は、やってみたくなるのです」と話す。

 白28でDにハッて、黒28、白Gとなる比較的簡明な進行はこれまでにあったという。

 記者室では、大ナダレに詳しいのは誰かと話題になった。「メイエンさん、ナダレは得意よ」と、王とは研究会仲間の小林覚、片岡聡の両九段。溝上の名前もすぐ挙がった。

 ナダレのエキスパートふたりが、新型を作り上げていく。

(内藤由起子)

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