現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局  観戦記 >
黒 趙 治勲  二十五世本因坊   対   白 結城 聡  九段

 

十分すぎる

2010年6月24日

 白2、4、8、16の消費時間は順に6分、5分、19分、24分。同じく黒7、9、13、17は4分、7分、20分、50分。序盤から、よくもまあこんなに考えることを見つけられるものだと、半ばあきれながらも感心した。趙にはまだ窓の外を眺める余裕があったが、結城は早くもエンジン全開といった雰囲気。体をよじり頭を抱えてため息も連発。見方によっては敗色濃厚の終盤戦とも受け取れる。

 白6までマネ碁風。白8から変化したが、これにはちょっぴり勇気がいるという。

 「普通は黒9のカケが絶好になるので、同じ地点に白9とコスんで位を保とうとするもの。結城さんは構いませんよ、どうぞカケてくださいと挑発しています」と解説の石田秀芳二十四世本因坊。

 黒9以下の手順でおやっと思うのは、黒17の前に黒A、白Bを換わらなかったこと。検討室でも話題になった。後では利かなくなるのではないかと。

 白24までは一本道といっていい。黒A、白Bが決まっていれば最高だが、保留しても明らかに黒7と白8の交換は黒が得をしている。白24までが先に決まった状況で黒7にカカったとする。そこで白8のハサミは完全な重複形。ガチガチの左辺からハサむのはバランスが悪い。

 だからこそ趙は黒Aを保留したのだろうか。実戦でも十分すぎると……。

(松浦孝仁)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介