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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第26局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   対   白 王 銘エン  九段

 

円熟期?

2010年7月15日

 局後の感想戦。張は序盤の分かれを、「苦しかった」と振り返った。実はこれ、かなり珍しい。解説の小松英樹九段も、「張さんは素直に形勢が悪かったとは言わないタイプなのですが」。

 張が「丸くなったのでは」との声がある。勝負師としてどうなのかは気になるが、今年は棋聖位を奪取してグランドスラム(七大タイトルすべてを一度は獲得すること)を達成し十段位は防衛。この対局までの成績は17勝6敗と申し分ない。

 記者はこの変化を、円熟期をむかえたことの表れと想像している。いや、それはこの碁を観戦したせいかもしれない。それほど張の勝ち方は印象的だった。正確に安全に、勝利への最短距離を確実に歩む様は、逆に迫力満点だった。

 白4、6は王らしい石運び。白8は下辺の価値の高さを意識してのもの。これで白9の小目では黒8、白17、黒Aで下辺黒が安定。逆に右下の白が浮き上がる。黒11のツケは白22、黒B、白Aを期待。そこで黒18、白15、黒Cで白を凝り形にする狙いだ。

 小松「白12が冷静でした。黒13は仕方なく、白が14の好点へ。黒11はすぐに18、白15、黒Cでした」

 黒13を手抜きは白13で、結果的に黒11と白10がひどい交換だ。

 白16から黒21はこうなるところ。白22で、どうやら王好みの序盤戦だ。

(松浦孝仁)

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