現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第28局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   対   白 結城 聡  九段

 

ベールに包む

2010年7月30日

 何か事を起こす際は準備万端整えるのが鉄則だ。ところが盤上では違う。ていねいな準備は、そのまま手の内を明かすことにつながる。前譜でも触れた白42は、いわば作戦をしっかりベールに包んでいた。黒の出方次第で臨機応変に、さまざまな手段を繰り出そうとしている。

 白42で参考図の1、3が、準備万端というやつだ。先に方針を明らかにすると、黒は右辺方面に逃げるのがまずいと一目でわかる。黒16まで実戦同様に進んだとしよう。すると黒2、4で生きているのが光る。右下白の厚みは働きそうもない。

 実戦に戻る。黒43はこの一手。白は46で攻めを継続する。黒は右下をA、白B、黒Cと補強したいのだが、白Dで中央黒が薄くなる。かなり危険だろう。

 横田「黒47から59と眼形を気にしている黒に対して、結城さんは白60と黒の根拠を脅かして順風満帆。はっきり白優勢です。右下黒がもがけば▲に悪影響が及ぶ。図との違いは歴然です」

 ただし、溝上の辛抱は、結城にある変化をもたらす。

(松浦孝仁)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介