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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 趙 治勲  二十五世本因坊   対   白 張 栩  棋聖

 

年齢の壁

2010年8月10日

 趙治勲、54歳。年齢のためだろうか、最近ちょっと元気がない。リーグ前半を1敗で乗り切り、「有力な挑戦者候補。井山名人と戦わせてみたい」との声もあがったが、その後2連敗を喫してリーグ残留さえ決まらない状況。つい先日は、ある棋戦の予選で入段3年目の若手に打ち取られ、周囲の首をかしげさせた。

 しかしである。趙に限っては年齢の壁など関係なく、いまは単によくない時間帯と思いたい。50歳代から60歳代にかけてタイトル戦線をにぎわせた橋本宇太郎、坂田栄男、藤沢秀行らの大先輩に続く人材を求めるなら、趙が一番手だろう。問題はいつ悪い時間帯を脱して黄金の50歳代につなげるかだ。本局をそのきっかけにしたいのはいうまでもない。

 1日、東京・日本棋院7階のイス席対局室。どうした風の吹きまわしか、いつもは序盤から時間をたっぷり使う趙が早打ちなのに、早打ちの張が白4に9分、6に5分と時間を小きざみにかける。

 黒7の下ツケに白8以下14までは張好みのナダレの簡明定石。左下も黒25まで、分かりやすい定石だ。解説は趙と数々の名勝負を繰り広げた武宮正樹九段がつとめる。

 「黒15ではAに割り打ち、上下の二間ビラキを見合うのも有力。白26が棋聖らしい。私ならBかCのヒラキ。Dのケイマもなかなかです」

(春秋子)

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