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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第32局  観戦記 >
黒 結城 聡  九段   対   白 小県 真樹  九段

 

動機づけは不要

2010年8月26日

 いま風のことばでいうとモチベーションが比較にならないとの声が圧倒的だった。結城聡は1敗を維持して、張栩、高尾紳路とともにトップを走る。初の名人挑戦に向けて、もちろんやる気満々だ。一方の小県真樹は白星がなく、いち早くリーグ落ちが決まった。確かにこの一局にかける動機づけ=モチベーションに差があるように見える。過去の似た状況で、リーグ落ちの決まった者が闘志なく敗れた例は少なくない。

 しかし碁に動機づけが必要なのだろうか。目の前に盤があれば死にものぐるいで勝とうとするのが、棋士の責務であり習性ではないか。変な書き出しになってしまった。小県はいつにもまして、すばらしい気合を見せてくれたと、まず初めにしるしておこう。

 小県のホーム、日本棋院中部総本部に結城を迎えてのセミファイナルラウンド。白6のハサミに黒7と結城が早くも動く。大ゴミと中国や韓国の影響のためだろう、自分が好形を築くより、相手の好形を阻止するのが最近の傾向らしい。

 白12の打ち込みもしかり。白Aと受けて黒Bの好形を許すのは耐えがたいのだ。ここで昼食休憩。両者にノータイム(1分未満)の着手はなく、いかに慎重だったか分かる。

 再開後の黒13から23まで、黒がうまくエグったのか、白が厚いというべきか、判定は難しい。

(春秋子)

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