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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第33局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   対   白 坂井 秀至  七段

 

気が差しても

2010年9月1日

 5日、猛暑真っ盛りの中、名人戦リーグ最終4局の一斉対局の日がやってきた。ここ数年は、最終ラウンドを待たずに挑戦者が決まっていた。アツくて長いこの日が大きく注目されるのは、久しぶりのことだ。

 まずは、リーグ残留を目指す溝上知親の一局をお届けしよう。溝上は本局に勝てば残留決定。負けても王銘エン九段とのプレーオフで勝てば残ることができるものの、ここで決めたいはずだ。坂井秀至は、すでに残留が決まっている。

 黒7、9のナダレから13に、白はすぐ14とハサミツけた。

 白Aにツガずに18にアテたのは、坂井が温めていた新しい工夫だろう。溝上も「知らなかった」。黒Bの逃げに白Cのカケで取れるよう、白20とトンだ。

 「黒23、25のツケ引きはずうずうしかった。単に上辺を守るくらいでした」と溝上。

 気合が入った白の26の打ち込みから28が溝上を悩ませる。黒41までの分かれは、「黒二子の取り方がよく、白がいいでしょう。ちょっと気が差しますが、黒は35で38と白二子を制しておけば、悪くなかったと思います」と解説役の苑田勇一九段。続いて白35の取りには黒Dと一手かけてサガっておく。右上の白は眼形がないし、白Eのツケもない。

 早くも、溝上は苦難の道を歩まなければならなくなった。

(内藤由起子)

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