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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第34局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   対   白 小県 真樹  九段

 

最終戦の主役

2010年9月9日

 残留争いが決着し、いよいよ挑戦者決定にからむ2局をご覧いただく。主役は6勝1敗の張栩と高尾紳路。両者譲らず7勝1敗で並べば4日後に直接対決(挑戦者決定プレーオフ)が待っている。負けてもプレーオフの可能性があるなんて甘い期待は、当人たちの頭にあるはずもない。まずは名人位奪還をめざす張が、小県真樹と戦った一局だ。

 リーグ開幕前の昨年11月、「張さんとの初対局が楽しみ」と小県が語ったのを思い出す。初対局は今年3月に他棋戦で実現したが、じつに興味深い状況でリーグ最終戦を迎えた。

 小県は6連敗した5月に早々とリーグ落ち確定。だが気力はなえることなく、7月に結城聡を破って優勝戦線に波乱を起こす。今回も「主役を食う」活躍ができるかどうか。

 日本棋院東京本院5階「幽玄」の間。右下白24までの折衝に続いて黒は左下25へ。張ならば当然ともいえる頑張った一手だ。

 「黒Aなら穏やかですが、張さんの棋風ではありません」と解説の石田秀芳二十四世本因坊は語る。白27、黒Aとなれば黒の理想形だから、小県の白26もこれまた当然。黒は下辺を軽く見る方針なのだろう。

 石田「気になるのは黒39からですね。黒はBに打って白に手を渡すのが有力だったのでは。手を抜いて白40に行ったのがなかなかでした」

(伊藤衆生)

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