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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第35局  観戦記 >
黒 結城 聡  九段   対   白 高尾 紳路  九段

 

挑戦者決定の局

2010年9月16日

 対局開始からほぼ12時間が経過し、局後の検討が終わってすぐ、高尾紳路は挑戦者になったと知らされ、「えっ、突然のことでびっくりです」と語った。結城聡に勝ってもプレーオフとばかり思い込んでいたという。同じ東京本院5階の張栩―小県真樹戦が気にならないはずがないが、あえて見ようとはせず、目の前の一局に集中した。そのごほうびがプレーオフなしの挑戦権獲得だった。「自分なりに一生懸命打った」と高尾。さっそく戦いぶりを振り返ろう。

 まず左下の両ガカリ定石に注目。白黒逆の置き碁に現れることが多く、おけいこ定石とかお座敷定石と、ちょっとバカにした呼び方がある。簡明なかわりに甘いとの意味だろう。「しかし高尾さんが堂々とやってくれたのはうれしいね」と外野席は好評だった。なお定石書によっては黒17ではなくAが示されているが、白17、黒B、白C、黒D、白Eの強烈なコウ狙いがこわい。結城の黒17が正しそうだ。

 珍しい定石のあとはそれぞれバランスをとる展開。ここで解説の宮沢吾朗九段に登場してもらおう。

 「白24とヒラいた場面は、黒から25のツメとFのカカリが見合いです。しかし黒Fを選ぶ人が多いかもしれません。白Gを譲っても黒Hとトンで下辺の構えがよくなります」

 白26、頑張ったツメだ。

(春秋子)

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