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< 第35期名人戦挑戦者決定リーグ戦第36局  観戦記 >
黒 山田規三生  九段   対   白 趙 治勲   二十五世本因坊

 

  • 総譜 1〜232手

未来への半目

2010年9月30日

【黒半目勝ち】232手完

 おもしろいものだ。挑戦権の行方を左右する張栩―小県真樹戦が午後8時39分に、高尾紳路―結城聡戦が9時40分に終局した。その次に終わったのが坂井秀至―溝上知親戦で、10時3分。溝上の残留がかかる一番だった。

 そして山田規三生―趙治勲戦だ。山田はリーグ落ちが、趙は残留がすでに決まっている。ここでの勝敗は、趙の来期のリーグ序列にわずかな影響を与えるだけだ。昼食休憩の午前11時45分までに26手、夕食休憩の午後5時30分までに71手しか進まない超スローペース。終局は10時30分だった。山田と趙の闘志を燃え上がらせたものは何なのだろうか。

 局後の感想戦を中心に振り返る。趙は左辺白54(4の八)を反省。黒67(3の五)、69から77まで割られたのを大きいと見ていたようだ。「白54は低く構えるのかなあ」(趙)

 左下の折衝はかなりの迫力。ぜひ並べて味わって欲しい。そして碁はヨセ勝負に。黒が169(12の七)にツイだ一着が手厚く、ここに回っては黒に半目残るらしい。

 山田は髪の毛を短く刈った。本人は「夏バージョンですよ」というが、心機一転との思いを込めていると想像する。リーグ落ちは残念だが、彼の目はもう前しか見ていない。この碁の半目勝ちから3週間後。2年連続の王座戦挑戦手合出場を決めた。

(松浦孝仁)

 消費 黒 4時間56分 白:4時間59分 (持時間各5時間)

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