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< 第35期名人戦七番勝負第1局  観戦記 >
黒 高尾紳路  挑戦者   対   白 井山裕太  名人

 

何かが違う

2010年10月7日

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 真夏の暑さはそのままに、ことしも挑戦手合の秋がやってきた。1日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパーク。

 午前9時ちょうど、いつものように石田芳夫(二十四世本因坊秀芳)立会人が「時間になりました」と声をかけ、名人は白石をざくっとつかむ。挑戦者は黒石をぽんと一つ盤に置き、奇数先の意思表示。名人の石数は17だったので、挑戦者の黒番と決まり、一礼をかわしてすぐ、黒1が右上星に打たれる。その瞬間を逃がすまいとカメラのシャッター音が大きい。ここまではいつもどおりだが、例年とは何かが違う。

 カメラマンや対局開始に招待された地元の千里第一小学校のちびっ子棋士が引きあげて、なぜ違うか分かった。6年間出ずっぱりだった張栩前名人がこの場にいないのだ。依田紀基から始まって、小林覚、高尾紳路、そして井山裕太と、数々の名勝負を繰り広げた張が対局者でないのはちょっと寂しい。

 しかし3年ぶりの高尾がいる。俊敏張栩とは違って重厚そのものの高尾が。井山名人との初の七番勝負は新鮮さでも、内容の面白さでも、過去の名人戦に劣らず、読者に満足していただけるはずだ。

 布石に一定の型を持たない両者の立ち上がりが注目された。黒5とカカってからの7はAとともに、内外を問わず、大流行の布陣である。

(春秋子)

 消費 黒:10分 白:2分 (持時間各8時間)

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