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< 第35期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 高尾紳路  挑戦者

 

上り調子

2010年10月20日

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 井山裕太が史上最年少名人となった前期七番勝負の第4局で、高尾紳路は新聞解説をつとめた。当時は体調もいま一つで、井山の奔放な発想に感心してばかり。特に、「人と同じことをしていたら名人にはなれないのですね」との言葉を聞いた時は少なからずショックだった。高尾だって名人だったのに。

 しかし、リーグ戦が始まると一変。初戦で大逆転勝ちをおさめると白星量産態勢に。この回復力、修正力、切り替えの早さは、さすが元名人だ。

 井山名人は順風とはいえない1年だった。世界戦は結果を残せず、国内戦では挑戦権を握ることもできなかった。本人も「ふがいなかった」と振り返る。

 ただし、第1局で見せた迫力、意志の強さは昨年の快進撃をほうふつとさせる。2日制に抜群の適応力を持っているのかもしれないが、記者はこの1年の悔しさをすべて名人戦七番勝負にぶつけるよう調整、立て直してきたのだと思っている。

 上り調子にある両者の激突。それは盤面からもうかがえる。

 結城「▲と低いところに白10と構えるのは珍しい。▲がAならよくある形です」

 さらに黒15は右上と連動している。どんなカラクリかは明日の譜で詳しく調べる。両者は自身の力を信じて工夫し、先に仕掛けたくてたまらないのでは。そんなふうに思えてならない。

(松浦孝仁)

 消費 黒:34分 白:25分 (持時間各8時間)

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