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< 第35期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 高尾紳路  挑戦者

 

味わい深く

2010年10月20日

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 名人の顔、少しふっくらしたように記者には見えた。余計なお世話かと思いながらもそれを伝えると、前夜祭で久しぶりに会った知人からも同じようなことをいわれたという。

 挑戦者も名人戦開幕前にやはり体重増を自覚していた。「七番勝負が始まるから、ちょうどいいやと思っていました」

 立会人の坂口隆三九段によれば、棋士は1局打てば2キロくらいやせることもあるそうだ。体がこれから始まる激闘を察知して備えたのかもしれない。

 白40のノゾキに黒Aとは打ちにくい。白Bで黒は眼形が乏しい。黒41の反発は、白47なら黒B、白C、黒Aの予定。これなら眼形を確保できている。

 ここで挑戦者は白42へ。検討室では「柔軟だねえ」との声が上がる。連携を確かめる黒43に白44、黒45も決めて白46へ。挑戦者は黒47と突き出されても痛くないといっている。

 結城「味わい深い打ち方です。白46は白C、黒Aを交換したくなるものですが、高尾さんは白40の一子を軽く見ているのですね」

 黒47と突き出した形はとても気持ちがいい。検討室にも黒が打ちやすいかとの雰囲気が漂ってきた。

 しかし、現実はそうではなった。挑戦者は白48を用意していた。白42、44、46と中央での戦いを意識した石組みも、これで理解できる。名人、どうさばくか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:2時間50分 白:2時間42分 (持時間各8時間)

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