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< 第35期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 高尾紳路  挑戦者

 

だまされた?

2010年10月20日

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 名人が堅い着手を選んでいるのは優勢を意識しているから。そんな雰囲気が検討室にはあった。棋士は盤上だけでなく、あらゆるものを形勢判断の材料にする。小松英樹九段は対局相手の様子、表情などから形勢を探るときもあるという。

 この日の検討室は名人にだまされた格好となる。最初に「異変」に気づいたのは衛星放送解説の蘇耀国八段。白58を、「非常に厳しい手」と絶賛した。

 形からすれば参考図の白1だろう。白aが利きだから一間にトンでおくのが効率的だ。しかし黒2、4と構えられると右下黒との間に連帯感が生まれる。

 実戦はのちに白62が絶好になった。稼ぎながら攻めも狙える。

 結城「黒59でAと押して白Bを期待するのは勝手読み。58と力を蓄えた白は当然Cとハネてきます」

 白62の前に交換された白60、黒61も見逃せない。左下黒をにらみ、懸案の黒Dハネの威力もそいでいる。

 「白、なかなかの形勢では」との声が出始めたところで、封じ手の時間が近づいてきた。

(松浦孝仁)

 消費 黒:3時間36分 白:3時間30分 (持時間各8時間)

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