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< 第35期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 高尾紳路  挑戦者

 

どこにもない

2010年10月20日

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 封じ手は白64。上辺に仕掛けるタイミングらしい。一路左の白68への打ち込みも考えられたが、黒73、白A以下符号順に黒Fとなる変化に挑戦者は見通しが立たなかった。

 それでも白64のツケは色あせない。ここで名人は覚悟を決めた。「形勢不利。白に渡られたら甘すぎる。分断してがんばらなければと思いました」

 黒が75とマゲて分岐点を迎えた。続いて参考図 の白1なら黒2から白7が予想される。このとき、白の姿にプロは少々不満を感じるのだという。白1は、一路下のaにあれば理想……。なんと欲張りなのだろう。

 そこで挑戦者は白76を選択。しかし、覚悟を決めた名人がそんな主張を認めるわけがない。黒77、79とコウを挑んでいく。

 コウが始まればコウ材が焦点となる。みなさんはどこにコウダテを求めるだろう。実は現局面で、白から適当なコウ材は一つもなかったのだ。挑戦者の、「コウダテが軽率でした」との反省に同情したくなるほど、名人の返し技は見事だった。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間46分 白:4時間31分 (持時間各8時間)

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