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< 第35期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 高尾紳路  挑戦者

 

逆転

2010年10月20日

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 上辺のコウは黒が勝った。ならばその代償を白は得なければならない。ところが、切断した左下の黒を取りにいく手段がない。

 白90で参考図の1は黒2の後の4が好手。最強の白5には黒6、8でいい。白11までで三子を取られても、これはしっぽ。黒12で本体は安全圏に到達だ。

 結城「続いて白aなら黒bで上辺黒が大きい。白cはもがきというもので、黒dから隅に悪影響が及ぶのは必至です。また、黒12のあと白がbと上辺を助ければ、黒aで左辺白の攻めを狙います」

 なお、白5で10は黒8が妙手。白9と切っても黒5、白a、黒eのぐるぐる回しで白は取られてしまう。実はこの手順を検討室ではなかなか発見できず、黒が苦しいと見ていた。

 形勢逆転。黒が93、95と中央ラインを制したのも好判断で、白は防戦一方に。しかし挑戦者、ここから粘りに粘る。白108、112、118の三つのブツカリをしかとご覧あれ。並大抵の辛抱ではない。挑戦者の闘志が伝わってくる。

(松浦孝仁)

 消費 黒:6時間26分 白:6時間38分 (持時間各8時間)

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