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< 第35期名人戦七番勝負第3局  観戦記 >
黒 高尾紳路  挑戦者   対   白 井山裕太  名人

 

初の山形対局

2010年11月2日

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 暑さから逃れるように名人戦一行が山形県上山市へ向かったのは9月21日。曇り空のなか、東北のやさしい空気が出迎えてくれた。

 都心が70日目の真夏日を記録したこの日、挑戦者は汗ばむような暑さの東京から新幹線で一路北へ。四国・松山での第2局を終えて東京へ戻ったのはつい3日前。元気そうには見えても、連敗という現実が疲労を増幅させていたはずだ。

 大阪から空路で向かった名人は、冷や汗をかいた。交通機関の乱れで、危うく予定の飛行機に乗り遅れるところだったという。無事に山形入りし、温泉につかって汗を流した。

 翌22日午前9時。「それでは時間になりましたので、始めてください」。立会人の元名人・小林光一九段がはっきりした口調で開始を告げる。名人の2連勝で迎えた第3局は、名人戦初となる山形県での開催である。

 黒5、白6と互いに隅をシマり、さらに黒7、白8と互いに辺に展開する。挑戦者は右辺、名人は左辺に勢力を張る布陣となった。

 挑戦者は白12に対して黒13、15のツケ引きを選択した。もし、黒Aと三々に行ったらどうなるかは最適な頭の体操だ。答えは白B、黒C、白D、黒15、白E、黒Fに白Gとカカえる。右辺の黒石の間をすり抜けて、シチョウが成立してしまう。

 頭がほぐれたところで、まずは白16に注目しよう。

(伊藤衆生)

 消費 黒:5分 白:37分 (持時間各8時間)

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