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先急がぬ2人、大局観の戦い 石田秀芳二十四世本因坊の展望

2010年8月27日更新

写真石田秀芳二十四世本因坊

 井山―高尾の対決は序盤、中盤の構想が魅力になる。井山名人の着手は堂々としている。そして攻守のバランスがいい。受けすぎず攻めすぎずで、どんどん地を稼いだり大模様を張ったりする極端さもない。高尾九段は重厚。これで間に合うのかというくらいゆったりと打ち、追い込んで帳じりを合わせる。普通はこわい打ち方です。

 足早な前名人の張栩さんと違い、2人は先を急がない。世界的にみても現代には希少価値的な存在だ。相手を封じるより自分の流儀を通す。大局観を大局観で返すような、戦いになるでしょう。

 井山さんには名人初防衛がかかる。あまり意識はせず、高尾流をじっくり味わいながら、勝ち負けにこだわらず戦うのではないか。ただ、チャレンジャーでよかった過去2年とは構図が違う。あとは気持ちの問題です。

 井山さんがいま一つ乗り切れていないのは、他の挑戦手合に出ていないから。4月の本因坊戦挑戦者決定プレーオフで勝っていれば、いま頃は名人本因坊だったかも。でも、調子は決して悪くはない。

 挑戦者決定リーグ戦で優勝した高尾さんは調子を上げているようだ。最終戦の結城聡さんとの碁はじつに堂々たる勝利だった。4年前、ゆったりとしたリズムの手厚い碁で名人になった。翌年、張さんにリベンジされ、今までの打ち方に自信を失った時期があったかもしれない。だが、それを乗り越えてきた。

 対戦成績が偏っているのは不思議でならない。高尾さんは多少の苦手意識があるかもしれない。3年ぶりの登場が久しぶりとは思わないが、今度いつチャンスがあるかは分からない。この七番勝負にかける気持ちは井山さんに劣らないだろう。

 精神的にはほとんど互角ではないか。4局までは一進一退でいき、シリーズ終盤で決着しそうな気がします。

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