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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第6局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   -   白 林 漢傑  七段

 

珍しい

 対局開始10分以上も前に、林漢傑は下座についていた。白番は上座だと伝えると、「リーグ戦はそうなのですね。教えてくれて助かりました」と笑顔を見せ、席を移った。

 黒番の溝上知親は一手ごとに少考。黒5までの三連星をしいた。「最近、三連星は見ないですね。溝上さんが打つのも珍しい」と解説の大矢浩一九段。そういえば「宇宙流」武宮正樹九段の碁にも、あまり現れなくなった。

 黒7の二間高バサミも珍しい。白8の三々から黒27までと、置き碁などアマチュアの対局ではよく登場する定石ができた。「懐かしいね」「棋譜に残る碁では、10年近く見た記憶がない」とは、記者室の面々。

 「プロが打たないのは、上辺に黒からの利きが多く、白が悪いとされているからです。白12とは押し上げず、白13とツイで、黒12、白21ハネ、黒18、白Aハネ、黒25切り、白22ツギ、黒Bノビとなるのがよくあります」と大矢解説者。

 ところで、途中の手順をよく見て欲しい。黒17は、19に切って白20と抜かせてから黒17にハネるのが普通だ。先に17にハネられると迷う。林の手も止まった。溝上の碁には、相手をちょっと悩ます手がよく見られるという。

 黒29に、林は白30とトンで32とカケた。右上で稼いだので、石を外に向かわせ、バランスを取ったのだろう。

   

(内藤由起子)

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