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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第7局  観戦記 >
黒 趙 治勲  二十五世本因坊   -   白 結城 聡  天元

 

長考の局

 記者が碁にのめり込んだのは中学生のころだった。いちばんワクワクしたのは、長考についての記事。誰それが数十分も考え込んだとか、挑戦手合で1時間以上を記録したなどと聞くと、学校の勉強どころではなかった。

 最近は持ち時間短縮傾向にあるせいか、名人戦リーグなどの5時間持ちの対局でも派手な長考はあまり見られなくなった。長考フリークの記者はちょっぴりさみしかったが、本局では十分堪能させてもらった。本当にもう、嫌というほどに。

 白2、4、6にそれぞれ5分、4分、8分の考慮。いま思えば、朝から長考合戦になる前触れはあったようだ。お返しするように、左上の黒7は24分を記録。まあ、この程度では長考とはいえないか。

 黒11のツケに黙って白12とツグ定石を選んだのはうなずける。

 「白A、黒B、白12、黒C、白Dでは先手が黒に渡ります。当然、空き隅の右下を占められることになる。先行された感じがして気が進みません」と解説の金秀俊八段。

 焦点の右下は白が16と先着したが、その直前の左辺黒15も当然ながら絶好点。このあたりは双方とも不満なしの進行だろう。

 黒17は分岐点。右下に黒18とカカれば白も右上に17とカカることになる。これは「難戦必至」と金解説者。もっとも、穏やかに進んだ実戦も、やがては難戦になる。

   

(松浦孝仁)

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